【感想レビュー】「なないろリンカネーション」琴莉ルートが至高のクオリティ
キヨコです。
シルキーズプラス「なないろリンカネーション」をクリアしました。
2014年萌えゲーアワードに輝いているという点、私がすめらぎ琥珀先生の大ファンということで購入いたしました。
《あらすじ》
主人公の大学生・加賀見真は、以前自身の祖父が住んでいた家で1人暮らしを始めることになります。
そこで、真は幼馴染・伊予に再会します。幼少期に出会った時と全く姿が変わらない彼女は、自身が座敷童だと言います。
伊予は、真の祖父がこの街を彷徨う霊魂を救う「お役目」を生業としていたこと、真がそれを受け継ぐことになったことを話します。
戸惑いながらもその「お役目」を受け入れていく真でしたが、この街の平和を揺るがす大きな事件に巻き込まれていくことになります。
《物語の核心には触れない程度のネタバレ注意》
【滝川琴莉ルート】
メインヒロインです。ことりん。
主人公宅付近の学校に通っており、主人公とは「お役目」に関わる事件で知り合うことになります。
このゲーム内の全ルートで、シナリオの中心にいるヒロインです。
〇よかった点
泣ける…
本作のメインとなる事件の顛末、鬼の真の力、死者の魂の行方など、様々な要素を盛り込みながらきれいにまとめられたシナリオでした。
伏線がしっかり張られていて、うまいシナリオだと感じました。
ある事情から主人公と琴莉の間には悲しい運命が立ちふさがることになるのですが、もうそれがとても切なくて、エンディングまでの流れでぼろぼろ泣いてしまいました。
エンディングは2種あります。切ない結末もありますが、どちらもハッピーエンドです。2種あってどちらも素晴らしいエンディングというのはなかなかないので◎です。
琴莉自身のキャラクターも、一生懸命で明るくて好感の持てるキャラでした。
エッチが段階を踏んでいて、らぶらぶなエッチで大満足でした。
かわいい!甘い!このままずっとしあわせでいてくれ…
琴莉のルートは一番最初にプレイした方が楽しめると思います。
●イマイチな点
特にないです!
強いていうと、この琴莉ルートが一番面白いのですが、他ルートより先にプレイした方が面白くなるため、他ルートの面白みが若干減ってしまうというぐらいです。
【土方由美ルート】
主人公・真くんの高校時代の元カノです。
「お役目」に関わる事件を調査中に、再会することになります。
〇よかった点
共通ルートではちょっと重たい子だなと思っていたんですが(申し訳ない)、主人公のために一生懸命でかわいかったです。
彼女のルートは中盤エッチばっかりしてます(笑)が、全年齢版だとどうなってるんでしょうか。
おとなしい性格とのギャップがあって、エッチシーンがエロかったです。
このルートだと、鬼の葵・アイリスのエッチシーンが追加されます。
●イマイチな点
中田氏を甘く見るんじゃない。
(妊娠確率についての話)
シナリオに関わってくるので特に大きな問題にはならないんですが、真君のその意識はどうかと思います!
由美ルートの真君は中盤ちょっとヘタレるので歯噛みしましたが、最終的にはしっかり自分で考えた行動が出来ててよかったですね。
ただ、エンディングに関しては由美はそれでよかったのか…?と感じ、ちょっともやりました。本人がそれでいいならいいですが…。
【伏見梓ルート】
「お役目」に関わる事件の協力者として登場します。
霊に関わらなくちゃいけない仕事なのに本人は怖がりな性格という、鉄板の属性持ち。
有能なのは伝わってきますが、若いからか突っ走りがち。
スーツがエッチ。
〇よかった点
流されてエッチにもちこまれちゃうのがエッチですね‼
このエンディングだと、本意ではないかもしれませんが琴莉がしあわせになれそうで何よりです。
このルートだと、鬼の芙蓉・アイリスとのエッチシーンが追加されます。
●イマイチな点
強いて言うと、琴莉とそんなに仲良くなっている印象がなかったので、エンディングまでの展開が描写不足かな…と思いました。
事情を知れば梓さんならそういう風に行動しそうですが、少し唐突に感じました。
【伊予ルート】
全ルートで主人公を支えてくれる座敷童・伊予のルート。
エクストラルートといった立ち位置。琴莉ルートからの分岐っぽいです。
〇よかった点
伊予は枯れてそうだな~と思ってたら、本当になかなか素直にデレなかったので予想通りでよかったです(笑)
上のCGのシーンがとてもよいです。
●イマイチな点
やはり短い…伊予のエッチシーンも少ない。
PSVita版・steam版では追加されているようなので、伊予のシナリオはそちらで楽しむことになりそうです。
《総評》
【よかった点】
〇CGがきれい
すめらぎ琥珀先生の原画とシルキーズプラスさんの塗りが相まって、非常に美しいグラフィックをしています。
立ち絵、イベントCG、背景、どれを見ても不満な点が全くありません。
特に琴莉ルートのエンディングCGは圧巻です。こりゃ泣きますわ。
〇音楽がいい
気分を的確に盛り上げてくれます。
エンディングも泣かせにきます。
〇抜け目のないシナリオ
伏線がしっかり張られていて、理由がわからずに物事が起こる場面がなかったのでわかりやすかったです。
あと個人的な好みですが、ノリや気持ちの問題ではなくちゃんと理屈をつけるところがよかったです。設定やつじつまを意欲を持って考えていることが示されるのは、やはり心地よいです。
〇エッチシーンがすごいエッチ
さすがすめらぎ琥珀先生というか、むっちむちボディのヒロインが多くて最高にドスケベです。
キスシーンのCGも、ヒロインの唇がむにむにしていてやわらかそうでかわいさとエッチさが両立されています。
プレイ内容はほぼ和カン・室内のもので、アブノーマルなのは青カン・3Pくらいです。
ルートはないのですが、葵・芙蓉・アイリスの鬼3姉妹のエッチシーンは愛より性欲を満たすこと重視なので、ヒロインたちとのエッチよりも官能的な印象です。
〇言動が癇に障るキャラがいない
これ大事ですよね!
妙に口の悪い言葉遣いだったり、倫理観がおかしかったりしないシナリオなので読みやすかったです。
主人公も常識的でイイ奴です。
【イマイチな点】
●伊予ルートが短い
琴莉ルートのifルートという感じです。
シナリオが追加されているという全年齢版をやらねば。
●鬼の3人がもっと見たい
主人公は、自身の「お役目」を遂行するために、自身の望んだ能力を持った「鬼」という存在を生み出すことができます。
葵・芙蓉・アイリスの鬼3人娘ですが、とっても個性的でかわいいです!
設定上彼女たちとくっつくことは、おそらく主人公も鬼たちも望まないと思われるのでルート実装は不要だと思われます。
しかし、エッチシーンがエッチなのでもっと見たいんだよなぁ…!
日常シーンでも後半はヒロインたち中心になるので、総合的にもっと出番が欲しいといった感じです。
●良くも悪くも琴莉がメイン
由美ルートも梓ルートも面白かったのですが、やはり琴莉ルートに比べると魅力が落ちるところがあります。
シナリオの本筋に当たる事件の内容が全ルート共通のもののため、ゲームをやりこんでいくと大体知った情報ばかりになります。
事件の説明部分も共通テキスト部分が多くなるため、2番目にプレイした由美ルート、3番目にプレイした梓ルートは、おそらく琴莉ルートの半分ほどのプレイ時間でクリアできたと思います。もう少し他のルートも読みごたえがほしいです。
●主人公の顔がよく出る
悪い点ではありません。
エッチシーンでもイベントシーンでもCGに結構主人公の顔が出るので、気になる人は気になるかも。
ただ真くんはいい奴兼イケメンなので、気になる人はあんまりいないと思います。
●グロい
これも悪い点ではありません。このシナリオには必要な部分だと思います。
遺体のイラストや流血シーンを全ルートで見ることになるので、苦手な人は気を付けた方がいいです。
CGがきれいな分、グロさも真に迫ってるので…
《感想まとめ》
琴莉ルートが泣きゲーとして至高のクオリティです。
CG・音楽・システム全てこれといって不満がありません。
強いて言うと物足りない部分もありますが、買ってよかったと心から思っている作品です。
同じくシルキーズプラスより発売されているあけいろ怪奇譚と一緒になっているバージョンを購入しましたので、後々「あけいろ」もプレイしようかと思います。
「なないろ」と同じ、かずきふみ先生シナリオ・すめらぎ琥珀先生原画ということで楽しみです。
現在全年齢版がPS Vita・Steamより販売されています。
Vita版・Steam版とPC版との違いは、以下の通りです。
・由美ルート、梓ルート、伊予ルートにエピソード追加
・すめらぎ琥珀先生原画書下ろしCG追加
(見た感じ塗りはPC版とは違う方のようです)
・かずきふみ先生書下ろしエピソード追加
シナリオは、主にヒロイン・鬼たちとの日常シーンが追加されているそうです。
鬼と過ごす時間がもっとほしかったので、鬼との日常シーンが追加されているのは嬉しいですね。
エロ部分も最高ですが、シナリオ部分も泣けて最高なので是非やってみてください。
またお会いしましょう。
・R-18版
・全年齢版(PSVita)