【感想レビュー】「同級生リメイク」懐かしく穏やかなひと夏と元気すぎる主人公
こんにちは、キヨコです。
FANZA GAMESより発売された「同級生リメイク」をプレイしました。
〇自由度の高いシステムが楽しい
◆マップ探索が楽しい
このゲームのフラグ管理は昨今のアドベンチャーに多い選択肢によって物語を進めるシステムでなく、マップ上を歩いて「どの時間に誰と会うか」を選択して攻略していくシステムです。
この「どんな返答をするか」だけでなく、「どのヒロインと会うか」から選べる能動的で自由なシステムに、すっかりハマってしまいました。
ヒロインたちとの会話は、フラグの数や出会った場所によって細かく変化しますので、何回も会話しても飽きません。
オリジナル版とゲーム難易度はほぼ変わっていないようですが、いくつかの追加要素により攻略がしやすくなっています。そのため適度な難易度でフラグ管理が楽しめ、程よく没入できます。
◆「調べる」システムが楽しい
何といっても楽しいのが、会話中やイベント中にカーソルで選んだ箇所を自由に調べられるシステムです。画面内のほとんどの場所を調べることができ、調べることで会話やイベントが進みます。同じ箇所でも、時期や相手とのイベント進捗状況によって調べた結果が変化します。調べた箇所への主人公の感想も面白いです。
イベントCGはヒロインだけでなく、背景の部分も調べられます。
思いがけないところにお金やごほうびCG(⁉)が落ちている箇所もありますので、積極的に調べまくりましょう。
〇現代でも変わらず魅力的なヒロイン
◆14人のヒロイン(尚ほぼ年上)
本作では14人のヒロインが攻略できます。たくさんいますので一人一人のシナリオは短めですが、彼女たちと話をする機会は多く「調べる」システムもありますので、十分魅力を堪能することができます。
エッチ回数はヒロイン全員1回のみです。
ちなみにこんな名前のゲームですが、主人公と同級生の女の子は4人だけです。年下のヒロインが一人いますが、他9人のヒロインはみんな年上です。主人公は学園の3年生(おそらく18歳)で、一番年上のヒロインは25歳です。
シナリオも多彩です。同級生との青春、恋の三角関係、教師との恋愛、人妻との逢瀬まで、様々な恋愛を楽しめます。
私個人はさとみ関連のシナリオと美沙関連のシナリオが青春という感じで好きです。キャラクターとしては、よしこ先生がギャップ萌えもあってお気に入りです。
◆色濃く感じる90年代の雰囲気
1992年発売のオリジナル版は当時の日本を舞台にしているのですが、「同級生リメイク」の舞台も変わらず90年代当時の日本です。
かおりやちはる、夏子は特に当時の雰囲気を感じるキャラデザをしていますね。
そんな中、先負学園に通うヒロインたちのデザインは、2020年代現在でも通じる魅力があります(美穂はさすがにもうメジャー系統のデザインではないですが、かわいいです)。
特に美沙のポニーテール+セーラー服は不変の王道キャラデザインですね。
オリジナルの竹井正樹先生原画のイラストも非常に綺麗だったのですが、リメイクのすめらぎ琥珀先生原画のイラストも素晴らしいです。
両者のイラストを並べると、昔と今のトレンドがわかって面白いですね。
〇ヤンチャすぎる主人公
このゲームをプレイした人が、まず驚くのは「主人公すげぇヤバい奴じゃん」という点かと思います。
自分でどこへ行くか、誰と会うか決められる自由なシステムの「同級生リメイク」ですが、主人公もこのシステムにぴったりの自由すぎる男です。
デフォルトネームは「たくろう」くんです(どの名前をいれても、ヒロインたちは主人公の名前を音声では呼んでくれません…ここはマイナス)。
駅で会った女の子をナンパしたり、女の子と遊ぶために夏休み前半はアルバイトに明け暮れたり、女性に対しての行動力がとてつもなくあります。普通に行動していても、ちゃらんぽらんな男という印象があります。
先ほど書いた「調べる」システムですが、ヒロインの身体を調べると主人公はなかなかゲスな反応ばかりします。まあ口には出していないので許容範囲です。
とはいえ街で会った幼なじみの女の子の前で局部を取り出そうとするなど、にわかには信じがたい行動をとることもあります。
(周囲にはそういうことをしても全く違和感のない人間だと思われているようです。いいのか悪いのか)
そんなとんでもねぇ主人公ですが、彼の周囲の男性たちよりは、よっぽど人間性がまともです(他の男がダメすぎるだけか)。
ヒロインたちも、彼と初対面の女性は結構キツいことが多いのですが、前から彼と知り合いだった女性たちは結構好意的に接してくれます。
その他落ち込んだ様子のヒロインには真摯に向き合ったり、ヒロインを侮辱する奴をちゃんと文字通り叩きのめすなど、しっかりしたところもあります。
憧れの桜木舞には奥手な反応をしたり、普通の年頃の男の子だと思える面もあります。
最初は引き気味だった私たちプレイヤーも、ゲームを進めていくうちに好感が持てる主人公となっています。
作中で「ファンが多い」と言われるのも、ある意味うなずける主人公です。
多少突飛なこともでき、最低限必要な倫理観・常識を持ち合わせた(=めちゃくちゃな選択肢を選んでも違和感がなく、それでいてプレイヤーが主人公の感覚にある程度共感を持てる)主人公「たくろう」は、この「同級生」というゲームにはぴったりと言えますね。
〇まとめ
オリジナル版の懐かしい雰囲気を残しつつ、今やっても面白い、よいリメイクだと思います。
少しシステム面での不具合が目立ちますが、それを補って余りある魅力のあるゲームです。
小ネタを探したり探索をしたりするのが好きな方、年上の女性と恋愛を楽しみたい方、ファンタジー要素のない現実的な設定のゲームを楽しみたい方にはおすすめです。
それではまたお会いしましょう。
「同級生リメイク」は攻略記事も書きました!以下からどうぞ⇓
【感想レビュー】自身の選択に責任を「君と彼女と彼女の恋」
ニトロプラス『君と彼女と彼女の恋。』をクリアしました。
比較的ボリュームの少ないゲームというのもありますが、あまりに惹きつけられるシナリオでGW5連休の内にクリアしてしまいました。
★以下物語の根幹に関わるネタバレがあります!★
このゲーム「ととの。」は、なるべくネタバレを踏まない方が魅力を知れるゲームです。クリア前にこの記事を読むのは非推奨です。
続きを読む【感想レビュー】「CLANNAD」人生が進むたびに「CLANNADは人生」を感じる
キヨコです。
最近初めてKeyのCLANNADをクリアしました。
高校生の時にアニメ1期を見てからうっすら興味があって、退職をきっかけに時間ができたのでPSP版を買ってみた次第です。
「CLANNADなんて十数年前のゲームじゃねえか」と思われるかもしれませんが、穏やかな優しいいい話でした。
シナリオも素晴らしいんですが、ルート管理とかテキストの多さ、細かさに感動しました。KeyのゲームはCLANNADが初めてなんですが、全部こんな丁寧に作られているんですか?すごすぎない⁇
『人生』
— 田村淳 (@atsushilonboo) March 25, 2019
CLANNAD after story ヤバイくらいに泣きました…嫁と娘、家族、仲間を大切にしよう!絵が苦手だなぁと思ってた作品が好きになる事を経験しました…そして絵も好きになった!学びの多い作品でした。フォロワーのみんな良い作品を紹介してくれてありがとう!それと便座カバー
CLANNADは人生 pic.twitter.com/ooqV79AhhA
田村淳氏も見ておる。しかも2019年。パねえ。
各ルートごとに、攻略順でつらつら書いていこうと思います。
《 遠慮なくネタバレしていきます!! OKな方のみどうぞ》
【風子ルート】
泣くな…これは…
切ない話ですね…春原・朋也くん・渚と風子が再会するラストシーンで胸がきゅっっとなりました。
姉の幸せを望んで頑張る風子だからこそ、みんな優しくしてくれるんですね…優しい世界だ…
最初ほっぺチュールートにしたんですけど、キスルートにしないと智代ルートでの隠し要素が遊べないんですね。
アフターストーリーでも若々しい姿をしている風子ですが、一体何歳になったんだ…
【椋ルート】
なんでバッドエンド扱いなん。かわいいやん椋。
光の玉もらえないから?
勝平ルートを見ると、朋也くんだけじゃなくて涼の方も、付き合ってから相手のことが本当に好きになったパターンじゃないのかな。
【杏ルート】
何故か春原の魅力がわかるルート。お前めっちゃいい奴だな。
杏の「女」の部分が見られるのはいいんですけど、せっかく姉妹キャラなので、CLANNAD的に姉妹の絆部分がシナリオで見たかったような…
朋也くんがヘタレなのもちょっとマイナス。
髪を切った姿の杏はかわいかったので、それを見るための話だと思っている。
杏の魅力は、ことみルートや渚ルートやアフターストーリーの方が堪能できるで!あと杏のデレは有紀寧の占いで見ような!
【ことみルート】
シナリオ構成が上手すぎる…伏線が何もかも回収されていくのに舌を巻いてしまった。登場人物が優しい人ばかりで、最後の方はずっとボロ泣きしてました。
CLANNADは「世界は本質的に優しい」というのを根底に置いていると思うのですが、それが強く伝わってくるシナリオでした。
杏・椋・渚の出番が多いのもいいですね。友達と恋人の助けで、ことみはお庭から出れたんだもんね。
あと、のとボイスがつよい。
【美佐枝ルート】
Keyらしい、少しふしぎな優しい話でした。
過去編で終わってしまったので唐突に感じてたら、智代ルートで回収されましたね。収まるところに収まった、いい話。
この感じだと、朋也くんと美佐枝さんが付き合うまでだいぶ時間かかりそうやな。
【幸村先生ルート】
いい恩師に出会いましたなぁ…
不幸にも私は学生時代にあまり尊敬する先生には出会いませんでした。
学生時代にこのような体験ができれば、一生の思い出になるだろうと羨ましく感じました。
【智代ルート】
人が恋愛の深みにはまる姿を見た。
こんなに恋愛寄りのシナリオになると思ってなかった。智代はできる女でありながら、自分のキャパシティ以上に家族や彼氏に尽くしすぎる部分があるのでは…頭がいい分考えすぎてしまうタイプの女な気がする。
それが一見してわからないのがまた、智代の魅力なんだなぁ。エヴァのミサトさんみたいな、「サバサバしている」などと評される有能でさっぱりした女性だけども、誰よりも「女」な内面を持っているという。
バッドエンドも見ると、それを顕著に感じます。智代、なるほど…深いキャラだ…アフターも作られるわけだ。
本筋には関係ないのですが、智代ルートだけ学校にイヤな人多ない?
進学校らしいし、単に朋也くんに好意的でない人が学校に多いのが改めて示されただけか。学校内政治が重要なシナリオだし。
アフターストーリーまで全部クリアした後、顔が変形する春原と参上する風子を見るためにもう一度やりました。
ところで、どこかで「朋也くんは顔がいい方」みたいな話ありましたよね⁇
なかったっけ…
【春原&芽衣ルート】
春原早く来いよ‼
兄弟の絆ってなると風子と伊吹先生の話でもありましたけど、それぞれ違う雰囲気の話でよかった。
春原家は妹がしっかりしてるけど、伊吹家は姉がしっかりしてる。
でもやっぱり春原は芽衣ちゃんが信じるに値するお兄ちゃんだね。
【有紀寧ルート】
有紀寧のお兄さんが街のはぐれ物のために行動していたこと、それを有紀寧が受け継いでいるというところが大切なところでしょうか。
このシナリオも街と人の絆を示すピースとして描かれていますね。
本編中は朋也くん本人には何も起こらず、エンディング後から物語が進みだすんでしょうね。
光の玉の話、ここで出すんですね。
【勝平ルート】
勝平生きてくれ~涼が必要としてるぞ~
勝平めちゃくちゃな奴だな~と思ってたけど、そんな彼が弱る姿を見るのがすごく悲しくなりますね。
私は「理由があっても、死ぬことは自分の救い以外にはならない」という話にとらえています。
アフターストーリーをちょっと想起させる。
なんか涼が色々言われてますけど、好きになった理由が特別なものでなければ、高校生の恋愛なんて
私にすごくアタックしてくる見知らぬ男の子(ネアカな美形)>>>>>私のこと全く好きじゃない片思い中の男の子(顔がいいけど不愛想)
やろがい!
最後に登場する看護師姿の椋、すごい制服じゃないですか⁇
昔のエロゲみたいな…と思ったらいけないやつでしょうか。
いやかわいいんですけどね。
【渚ルート】
やはり渚ルートは至高っ…‼
渚かわいいんですよね。一生懸命で、ひかえめで、優しくて、ちょっとがんこで、思わず支えてあげたくなってしまうような。
そんな渚が自分の願いを叶えて舞台に立つ姿は、本当に感動しました。
秋生さんの激励は、両親を含めたたくさんの人が渚のことを支えていることを、自身が誰かの夢を託されるに足る存在であることを、改めて渚が受け入れるために必要なものだったんだと思います。
本当に頑張り屋なのに不器用で、こんなに頑張ってるのにうまくいかなくて、ラストの方はあまりに気の毒で涙が出てきました。
CLANNADはメインヒロインの渚が好きになれるかどうかが大きいと思うですけど、大成功では。
誰もが目を離せなくなってしまうでしょう、こんな女の子。
渚ルートなんですが、一度アフターストーリートゥルーエンドまで終えた後にもう一度やり直しました。何故かって?
アフターストーリーでの渚の卒業式に、フラグ次第で春原以外にもたくさん知り合いを呼べることを知ったからです。
初回クリア時は春原しか呼べなかったんですが、フラグ管理してやり直したら杏・椋・智代・芽衣ちゃん・美佐枝さんまで来るやん!先に知りたかった~初回クリア時なんかさみしいな~と思ってたら、こんな展開まで実現できるなんて…呼べる人全員揃えたときの卒業式は、本当に暖かい気持ちになれます。
杏の保育士姿も見られるし!
選択肢次第で、渚と付き合った状態で芽衣ちゃんと知り合えるんですが、そのときの追加イベントがとても多いので是非見てほしいです。友達と遊びに行く渚が見られるのかなり大きい。あと春原の芽衣ちゃんへの気持ちがちょっとわかる。渚のデレも大幅追加で見られるよ!
春原が杉坂に向けた「そんな風に人の同情を誘うような奴は、卑怯者だ!」というセリフが、春原のやりきれない気持ちを表していて印象に残っています。
【アフターストーリー】
・1周目
朋也くんが社会人として頑張ってる姿にまず泣きそうでした。
渚も朋也くんも質素な暮らしをしていて、清貧というのか、穏やかに懸命に毎日を生きる姿を尊く感じました。
お互いがお互いのために一生懸命なんですよね…。
プロポーズが留置場出た後なのが、生活感感じました。
渚が本当に頑張り屋なのは痛いほど知っていたので、その分出産後に亡くなるのが本当に…悲しい…そんなに頑張らなくていいんだよ渚…
(病院で産んだ方がよかったのでは?とは言わない)
汐が生まれてからはつらいですね…汐が悪いわけではないのに…
秋生さんも早苗さんも、朋也くんを家族として大切に思っていてくれたんですね。汐をあくまで「朋也と渚の娘」として大事に育ててくれて…もう号泣ですよ。朋也くんもちゃんとした父親になれるように、もう一度頑張り始めて…
そしてラスト…
朋也くんが最初父親としては全然よくなかったことは認める!
でも、こんなに何もかもなくすほど朋也くん悪いことしてなくない⁇とむせび泣きました。
・2週目
秋生さんルートで終えました。
話の流れ上しょうがないとはいえ、パン屋を任せるな(笑)
・3週目
やっとハッピーエンドだ‼(号泣)
ここまで長かった…頑張ってプレイした甲斐あった…
いつまでも3人で仲良く暮らしてくれ…
このルートでもお父さんと和解したんだろうか。
ルートではないのですが、こちらの3人も項目立てます。
【秋生さん】
めちゃくちゃだけど、できた人間ですね。子どもみたいな人だけど、器がデカい。
バスジャックのときは大丈夫だろうと思いつつもドキドキしました。
ふっと死んじゃいそうなところ、渚の父親って感じめちゃくちゃある。
朋也くんとも似たとこあると思うんですが、やっぱり娘は父親に似た人を好きになるっていうことなんでしょうか。
【早苗さん】
女神では?
渚の母親って感じがすごくある。
渚が亡くなってからは毎日本当につらかっただろうと思います。
秋生さんの「もう泣いていいんだぞ」が刺さる…ありがとうございます…
「好きです」って答えないと光の玉フラグが立たないの、どうなの(笑)
【芳野氏】
アフターストーリーで存在感を増す人。
社会人になると、どうしても職場の人と家族に付き合いが偏りますもんね。
先輩として素晴らしい人間ではないでしょうか。
本人は苦く思っていたようですが、あんなに強い挫折を乗り越えているのはすごいことだと思います。
伊吹先生が本当に光のように見えたんでしょう。
ネーミングセンスには笑う。
【草野球ルート】
全員かき集めて勝ちました。
秋生さん学校に出入りしすぎだろ!(笑)
こんなにキャラ全員集合するの、智代ルートの学園祭かフラグ立てまくったアフターストーリーの卒業式くらいだと思うので、楽しかったです。
【春原BADルート】
主人公がこんなに面白く人格崩壊することある?(笑)
【まとめ】
なんとも やさしい物語だと思いました。
一人でできることなんて少なくて、誰かとつながることでできることばかりなんだと、強いメッセージを感じました。
父子の関係づくりに失敗し逮捕されるまでに堕ちてしまった朋也くんの父親にも、救いがある。むしろ、朋也くんが父親へ理解を示したことで、父親は許され、朋也くん自身も人生として父親として踏み出すことになる…
私自身の人生のことを思い出しながら、涙が出る場面ばかりでした。
朋也くんと学校の友人たちのことを見ては、
芳野さんと公子さん、秋生さんと早苗さん、朋也くんと渚を見ては、自身の結婚式のことを思い出し。
芳野さんと朋也くんを見ては、就職したころの自身のことを思い出し。
おそらく子どもを産むことがあれば、汐のことを思い出すでしょう。
「CLANNADは人生」という言葉は、おそらくCLANNADの登場人物やストーリーに、それにふれた人の人生それぞれを思い起こさせるものがあるからなのではないかと思います。
結論:「CLANNADは人生」は正解
アニメもう一回見直すことにします!アフターストーリーも特別編も全部見るぞ~!
【追伸】
当記事とは関係ないのですが、女性目線でCLANNADについて話し合った記事があったので貼っておきます。
「渚と出会ったら人生変わりそう」わかりすぎて草。
・私がプレイしたPSP版
・今最新と思われるNintendo Switch版・PS4版
PC版から始まり多くのハードで発売されていますが、一番最初に発売されたPC版はキャラクターボイスがありません。PS2版から主人公以外にキャラクターボイスがついています。
PS2版もありますが、その後に発売されたPC版「CLANNAD FULL VOICE版」より新規イラストCGが追加されています。「CLANNAD FULL VOICE版」以降に発売されたPSP版は「CLANNAD FULL VOICE版」をベースとしており、その後に発売されたものも同様です。そのため今から遊ぶならPSP版より後に発売されたものがおすすめです。
是非お好きなハードでCLANNADをお楽しみください。
【感想レビュー】ハーミット「世界で一番NGな恋」でも幸せならオッケーです‼
キヨコです。
以前「世界で一番NGな恋」プレイしたことを思い出しましたので、感想を書いていきます。私が人生で初めて購入したエロゲです。
ちなみに、タイトルは「せかいでいちばんだめなこい」と読みます。
〇作品紹介
~あらすじ~
主人公・芳村理(28)が勤めていた会社をリストラされたところから始まります。
ヤケになって夜の街で酒に溺れていたところ、ホステスと思われる美女から優しく励まされ、主人公はすっかりのぼせ上ってしまいます。
勝手にその女性を運命の人と思い込んだ主人公は、なけなしの財産をはたいて購入した指輪を片手に、彼女が管理しているというアパートへ赴きます。たどり着いた場所はオンボロアパート「テラスハウス陽の坂」。
何やら違和感を覚えながらも尋ねてみると、その女性の娘だという女の子・陽坂美都子が出迎えてくれました。彼女によると、主人公が会いに来た女性・陽坂穂香(ひのさかほのか)はアパートと娘である彼女を置いてどこぞの男と駆け落ちしてしまったそうです。
財産も恋も無くし激しく落胆する主人公ですが、紆余曲折ありそのアパートへ入居して転職先を探すことになります。
現アパート管理人である美都子やアパートに住む住人達、 転職先で出会う女性、アパートを買い上げようとするお嬢様、別れた元妻。たくさんの変わった人たちと関わりながら、主人公が暮らしていく物語です。
シナリオは「さえない彼女の育て方」「WHITE ALBUM2」等のシナリオライターである丸戸史明さんが担当されています。
ファンタジー要素のない現実社会が舞台の作品で、転職や仕事、「将来」への考え方を主軸にした物語です。エロゲで現代日本が舞台で学校がメインでない作品にあまり触れたことがなかったので、新鮮でした。
主人公がアラサーの社会人男性であるのに対し、メインヒロインが中〇生の少女であることが大きな特徴です(彼女が中〇生であるとは明記されていませんが、どう見ても彼女は高〇受験に挑もうとしているので…)。
ちなみに主人公の理くんは高身長・高学歴・仕事もできるスペックの高い男です。バツイチというエロゲ主人公としては珍しい経歴も持っています。
またもう一つ面白いのが、作中の時系列順で各ヒロインのルートへ突入する点です。
スタート時点での作中の季節は春です。シナリオを進めて夏になると夏夜さんルートの物語が展開され、そこで夏夜さんを選ばないと秋の姫緒ルートへ突入します。そこで姫緒を選ばないと冬の麻実ルートの話へ入ります。冬のシナリオで麻美ではなく美都子を選ぶと、美都子ルートへたどり着けます。
この数多の女の魅力に屈さず美都子を意識していかないと美都子ルートへ入れないところ、「メインヒロインがラスボス」という感じで気に入っています。
以下で各ルートの感想を書いています。
~~~以下作品の根幹に関わるネタバレがあります~~~
〇各ルート感想
●天城夏夜ルート
夏の女。
主人公の再就職先で事務員をしています。まあその再就職先はすぐつぶれるのですが…。会社が潰れた後はテラスハウス陽の坂へ引っ越してきます。
また就職先を過ごす主人公を夏夜さんが支えたり言い寄ったりして恋人の座に収まるシナリオです。主人公が娘のような存在として美都子を優先してしまうため、「私が2番目でもいい」と前置きして付き合っていたのですが、次第に独占欲を抑えられなくなっていきます。
〇よかった点
甘やかしてくれる系お姉さんです。
ダメ男キラーというか、ハンターというか。包容力を持ちながらズボラな点もあるのが
親しみやすくて魅力的。それでいて人間関係への察しがよくて人のいい性格なので、好きな人を独占したくても配慮してしまうような乙女ですね。そのスペックでダメ男が好みだと、幸せになるのは難儀しそうですね…。
主人公が夏夜さんの魅力にずるずる引きずられていく過程がいいですね。
大変なときに、こんな風に甘やかされたり支えられたりしたら堕ちますよね。
このエンディングを迎えると、「理くんとられちゃったよ…」と美都子がご隠居さんの前で泣いてしまいます。胸が痛い。ご隠居さんも言及していますが、出会ってからの時間が少ないので他ルートに比べるとまだ傷は浅め。
〇イマイチな点
恋人同士になった後も、主人公は「保護者として美都子のことを最優先にする」と約束しているので、あくまで夏夜さんが主人公の一番にはならないのがもどかしいですね。
男性は夏夜さんルートの夏夜さんみたいなタイプ好きらしいですね。
私はヒロインとしてより、他ルートでの色々世話焼いてくれるお姉さんとしての夏夜さんの方が好みです。
●澤嶋姫緒ルート
秋の女。
テラスハウス陽の坂の隣にある大豪邸に住むお嬢様です。美都子と仲が良く、「トコちゃん」と呼んで甘やかしています。大学生です。
当初、テラスハウス陽の坂から住民を立ち退かせようとしていたためワルモノのように扱われていましたが、全ては美都子を保護するためです。
その後姫緒の親族の経営する会社の傘下にある会社(長い!)へ就職することが決まった主人公でしたが、主人公に嫌がらせをするためにわざわざ取締役としてその会社へ出向してきた姫緒の秘書として雇われたことが判明します。
取締役とはいえ、姫緒は現在進行形で大学生、しかもお嬢様です。世間のことを何も知らない姫緒が、主人公の助けを受けて成長していく姿が中心のシナリオです。
〇よかった点
他のルートの理くんは性格のおかげでダメ男感強いですが、姫緒ルートだと社会人の先輩として姫緒を支えています。
姫緒も典型的なツンデレお嬢様キャラでありながら、努力家で素直でとってもかわいいです。
美都子のアフターシナリオまで見てから姫緒ルートをプレイすると、エンディング後に美都子・姫緒との3Pが見られます(IF展開として)。
ちょっと成長した姿の美都子が見られます!かわいい!
美都子と姫緒が姉妹説は推していきたい。
〇イマイチな点
このルートの美都子が一番気の毒…。
「5年後も気持ちが変わらなければ、一緒に理さんのお嫁さんになろう」…
姫緒は幸せだろうけれど美都子はそれでいいのか?
●香野麻実ルート
冬の女。
美都子のクラスの担任教師で、主人公とは2年前に離婚しています。
主人公が美都子の保護者代わりとして保護者面談を受ける際に、再会します。
その後も何度か美都子の進路相談のため顔を合わせますが、
〇よかった点
元妻+女性教師ということで、属性がはっきりしていて紹介しやすいですね。
スタイルもよくて申し分ない美人なのですが、ドレスを買うために借りた金でセクシーな下着を買ってきたり、自分から別れ話を切り出したくせに主人公に未練たらたらだったり。キリっとした美人さとリアルなダメさが共存しているのが魅力です。
エンディングでも麻実と美都子は言い争っているわけですが、恋敗れたとはいえ美都子は幸せそうです。ケンカ中の麻実のセリフ「理はあなたに一度ふらつく間に私に何度もふらつくんだからね⁉」好き。中〇生と争うんじゃない。
結婚式もう一回あげるのは費用すごそうですが、1回目のときの結婚式がこじんまりしていたので心配ないか。
エッチシーンがめちゃくちゃエッチです。
子どもが産めない体であることから主人公と離婚したわけですが、心はまだ主人公のことが好きなのです。口では拒否しながら体の関係をずるずる続けているところがエッチで◎です。
子どもを産めなくても主人公は麻実のことが好きなのですが、麻美は主人公の幸せを考えるとなかなか元鞘へは踏み出せません。
そうなると、後はいかに主人公が麻実の心を開かせるかということになります。そこで体を開かせていくという方法をとるのが、さすが元夫婦というか麻実のことわかってんなぁ~と思いました。麻実、見るからに快楽漬けにされたら断れなさそうだもんなぁ。
〇 イマイチな点
とくになかったです!
しいて言うと、元鞘に収まる前から主人公とセックスしまくってるので、「本当にダメな女性だな~」と思いました。
悪いとは思ってないです!
●陽坂美都子ルート
春の女兼メインヒロイン兼ラスボス。
(上画像はPSP版で追加されたものです!適度な美都子単独CGを見つけられず…)
長い時間をかけて、ようやくくっついた二人です。
美都子が志望校に合格し、学校卒業、ふたりではじめてのエッチをしたところでシナリオは終了します。
いちゃらぶはアフターストーリー「世界でいちばんOKな恋」へ持ち越しです。
〇よかった点
まず男女CPとしてだいぶ萌え要素が入ったカプです。
高身長(188㎝)×低身長(144cm)
社会人(28歳)×中〇生(〇5歳)
おだやか×強気
この時点で素晴らしいですね。
次々と襲い掛かる他のヒロインの誘惑を跳ね除け、美都子の幸せを一番に考え続けるとたどり着けるルートです。恋の過程がじっくり丁寧に描かれており、チョコレートに描かれた文字に息が止まり、その後やっとくっついたときには涙が出ましたね。
主人公も成人男性としての倫理観を持ち合わせていますので、美都子を恋愛対象としてとらえて付き合うまでに約1年間を費やすのは至極妥当です。
この年の差カップルを世間の人はどう思うかわかりませんが、「ダメ恋」に関しては間違いなく理くんとトコちゃんは幸福な恋をしています。
ダメな恋でもいいんです。二人が幸せならオッケーです。
〇イマイチな点
中〇生なのでしょうがないとも思うのですが、イマイチ美都子の友人・倫子のことが好きになれず…
剛志に美都子と付き合えるよう支えていきながら結局自分が剛志と付き合ってるし…人生ってそういうものかもしれませんが。
●アフターストーリー「世界でいちばんOK(すてき)な恋」
美都子ルートエンディングの続きの話です。
元凶・穂香が帰還し、主人公と美都子が結婚するシナリオです。
アパートの住人・美都子の友人総出でお祝い、姫緒は美しい美都子のウェディングドレス姿に涙し、麻美は二人の間に生まれる子どもの名付け親に内定し、最強のシナリオです。
穂香に相応の仕打ちがあったのはよかったです。
そりゃ親からしたら10歳以上も年が離れた男と娘が結婚するのは納得いかないでしょうが、自分を棚に上げるな。
〇まとめ
不思議なことも一切起きない現実社会を舞台としたシナリオが面白かったです。こういう現実に近い設定の作品、もっと見たいです。
シナリオも丁寧で、気になるところが全くありませんでした!
出てくるキャラクターも美都子の母以外は気に食わないところがなく、優しい物語でした。
この作品を機に丸戸さんが気になり、「WHITE ALBUM2」も購入しました。
プレイするのが楽しみです!
・ R-18版
ハピネスモーションはエッチシーンがアニメーションになっています。
特にこだわりがなければ、廉価版がおすすめです。
・イラスト集
これめちゃくちゃいいんですよ。
巻末の書下ろしノベルが最高なので、是非クリアした方には読んでほしいです。
・ 全年齢版(美都子ルートにエピソードの追加があるようです)
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【感想レビュー】「なないろリンカネーション」琴莉ルートが至高のクオリティ
キヨコです。
シルキーズプラス「なないろリンカネーション」をクリアしました。
2014年萌えゲーアワードに輝いているという点、私がすめらぎ琥珀先生の大ファンということで購入いたしました。
《あらすじ》
主人公の大学生・加賀見真は、以前自身の祖父が住んでいた家で1人暮らしを始めることになります。
そこで、真は幼馴染・伊予に再会します。幼少期に出会った時と全く姿が変わらない彼女は、自身が座敷童だと言います。
伊予は、真の祖父がこの街を彷徨う霊魂を救う「お役目」を生業としていたこと、真がそれを受け継ぐことになったことを話します。
戸惑いながらもその「お役目」を受け入れていく真でしたが、この街の平和を揺るがす大きな事件に巻き込まれていくことになります。
《物語の核心には触れない程度のネタバレ注意》
【滝川琴莉ルート】
メインヒロインです。ことりん。
主人公宅付近の学校に通っており、主人公とは「お役目」に関わる事件で知り合うことになります。
このゲーム内の全ルートで、シナリオの中心にいるヒロインです。
〇よかった点
泣ける…
本作のメインとなる事件の顛末、鬼の真の力、死者の魂の行方など、様々な要素を盛り込みながらきれいにまとめられたシナリオでした。
伏線がしっかり張られていて、うまいシナリオだと感じました。
ある事情から主人公と琴莉の間には悲しい運命が立ちふさがることになるのですが、もうそれがとても切なくて、エンディングまでの流れでぼろぼろ泣いてしまいました。
エンディングは2種あります。切ない結末もありますが、どちらもハッピーエンドです。2種あってどちらも素晴らしいエンディングというのはなかなかないので◎です。
琴莉自身のキャラクターも、一生懸命で明るくて好感の持てるキャラでした。
エッチが段階を踏んでいて、らぶらぶなエッチで大満足でした。
かわいい!甘い!このままずっとしあわせでいてくれ…
琴莉のルートは一番最初にプレイした方が楽しめると思います。
●イマイチな点
特にないです!
強いていうと、この琴莉ルートが一番面白いのですが、他ルートより先にプレイした方が面白くなるため、他ルートの面白みが若干減ってしまうというぐらいです。
【土方由美ルート】
主人公・真くんの高校時代の元カノです。
「お役目」に関わる事件を調査中に、再会することになります。
〇よかった点
共通ルートではちょっと重たい子だなと思っていたんですが(申し訳ない)、主人公のために一生懸命でかわいかったです。
彼女のルートは中盤エッチばっかりしてます(笑)が、全年齢版だとどうなってるんでしょうか。
おとなしい性格とのギャップがあって、エッチシーンがエロかったです。
このルートだと、鬼の葵・アイリスのエッチシーンが追加されます。
●イマイチな点
中田氏を甘く見るんじゃない。
(妊娠確率についての話)
シナリオに関わってくるので特に大きな問題にはならないんですが、真君のその意識はどうかと思います!
由美ルートの真君は中盤ちょっとヘタレるので歯噛みしましたが、最終的にはしっかり自分で考えた行動が出来ててよかったですね。
ただ、エンディングに関しては由美はそれでよかったのか…?と感じ、ちょっともやりました。本人がそれでいいならいいですが…。
【伏見梓ルート】
「お役目」に関わる事件の協力者として登場します。
霊に関わらなくちゃいけない仕事なのに本人は怖がりな性格という、鉄板の属性持ち。
有能なのは伝わってきますが、若いからか突っ走りがち。
スーツがエッチ。
〇よかった点
流されてエッチにもちこまれちゃうのがエッチですね‼
このエンディングだと、本意ではないかもしれませんが琴莉がしあわせになれそうで何よりです。
このルートだと、鬼の芙蓉・アイリスとのエッチシーンが追加されます。
●イマイチな点
強いて言うと、琴莉とそんなに仲良くなっている印象がなかったので、エンディングまでの展開が描写不足かな…と思いました。
事情を知れば梓さんならそういう風に行動しそうですが、少し唐突に感じました。
【伊予ルート】
全ルートで主人公を支えてくれる座敷童・伊予のルート。
エクストラルートといった立ち位置。琴莉ルートからの分岐っぽいです。
〇よかった点
伊予は枯れてそうだな~と思ってたら、本当になかなか素直にデレなかったので予想通りでよかったです(笑)
上のCGのシーンがとてもよいです。
●イマイチな点
やはり短い…伊予のエッチシーンも少ない。
PSVita版・steam版では追加されているようなので、伊予のシナリオはそちらで楽しむことになりそうです。
《総評》
【よかった点】
〇CGがきれい
すめらぎ琥珀先生の原画とシルキーズプラスさんの塗りが相まって、非常に美しいグラフィックをしています。
立ち絵、イベントCG、背景、どれを見ても不満な点が全くありません。
特に琴莉ルートのエンディングCGは圧巻です。こりゃ泣きますわ。
〇音楽がいい
気分を的確に盛り上げてくれます。
エンディングも泣かせにきます。
〇抜け目のないシナリオ
伏線がしっかり張られていて、理由がわからずに物事が起こる場面がなかったのでわかりやすかったです。
あと個人的な好みですが、ノリや気持ちの問題ではなくちゃんと理屈をつけるところがよかったです。設定やつじつまを意欲を持って考えていることが示されるのは、やはり心地よいです。
〇エッチシーンがすごいエッチ
さすがすめらぎ琥珀先生というか、むっちむちボディのヒロインが多くて最高にドスケベです。
キスシーンのCGも、ヒロインの唇がむにむにしていてやわらかそうでかわいさとエッチさが両立されています。
プレイ内容はほぼ和カン・室内のもので、アブノーマルなのは青カン・3Pくらいです。
ルートはないのですが、葵・芙蓉・アイリスの鬼3姉妹のエッチシーンは愛より性欲を満たすこと重視なので、ヒロインたちとのエッチよりも官能的な印象です。
〇言動が癇に障るキャラがいない
これ大事ですよね!
妙に口の悪い言葉遣いだったり、倫理観がおかしかったりしないシナリオなので読みやすかったです。
主人公も常識的でイイ奴です。
【イマイチな点】
●伊予ルートが短い
琴莉ルートのifルートという感じです。
シナリオが追加されているという全年齢版をやらねば。
●鬼の3人がもっと見たい
主人公は、自身の「お役目」を遂行するために、自身の望んだ能力を持った「鬼」という存在を生み出すことができます。
葵・芙蓉・アイリスの鬼3人娘ですが、とっても個性的でかわいいです!
設定上彼女たちとくっつくことは、おそらく主人公も鬼たちも望まないと思われるのでルート実装は不要だと思われます。
しかし、エッチシーンがエッチなのでもっと見たいんだよなぁ…!
日常シーンでも後半はヒロインたち中心になるので、総合的にもっと出番が欲しいといった感じです。
●良くも悪くも琴莉がメイン
由美ルートも梓ルートも面白かったのですが、やはり琴莉ルートに比べると魅力が落ちるところがあります。
シナリオの本筋に当たる事件の内容が全ルート共通のもののため、ゲームをやりこんでいくと大体知った情報ばかりになります。
事件の説明部分も共通テキスト部分が多くなるため、2番目にプレイした由美ルート、3番目にプレイした梓ルートは、おそらく琴莉ルートの半分ほどのプレイ時間でクリアできたと思います。もう少し他のルートも読みごたえがほしいです。
●主人公の顔がよく出る
悪い点ではありません。
エッチシーンでもイベントシーンでもCGに結構主人公の顔が出るので、気になる人は気になるかも。
ただ真くんはいい奴兼イケメンなので、気になる人はあんまりいないと思います。
●グロい
これも悪い点ではありません。このシナリオには必要な部分だと思います。
遺体のイラストや流血シーンを全ルートで見ることになるので、苦手な人は気を付けた方がいいです。
CGがきれいな分、グロさも真に迫ってるので…
《感想まとめ》
琴莉ルートが泣きゲーとして至高のクオリティです。
CG・音楽・システム全てこれといって不満がありません。
強いて言うと物足りない部分もありますが、買ってよかったと心から思っている作品です。
同じくシルキーズプラスより発売されているあけいろ怪奇譚と一緒になっているバージョンを購入しましたので、後々「あけいろ」もプレイしようかと思います。
「なないろ」と同じ、かずきふみ先生シナリオ・すめらぎ琥珀先生原画ということで楽しみです。
現在全年齢版がPS Vita・Steamより販売されています。
Vita版・Steam版とPC版との違いは、以下の通りです。
・由美ルート、梓ルート、伊予ルートにエピソード追加
・すめらぎ琥珀先生原画書下ろしCG追加
(見た感じ塗りはPC版とは違う方のようです)
・かずきふみ先生書下ろしエピソード追加
シナリオは、主にヒロイン・鬼たちとの日常シーンが追加されているそうです。
鬼と過ごす時間がもっとほしかったので、鬼との日常シーンが追加されているのは嬉しいですね。
エロ部分も最高ですが、シナリオ部分も泣けて最高なので是非やってみてください。
またお会いしましょう。
・R-18版
・全年齢版(PSVita)
【感想レビュー】「恋と選挙とチョコレート」CGがひたすら好み【恋チョコ】
キヨコです。
先月「恋と選挙とチョコレート」PSP版をクリアしました。
その後PC版(成人向け)もプレイしました。
両バージョン含めた感想と雑感を、ルートごとに書いていきます。
《若干のネタバレが含まれるので、気にしない方だけどうぞ》
《各ルート感想》
【住吉千里ルート】
メインヒロインルート。
主人公と仲間たちが所属するショッケンの部長。
(ショッケン=食品研究部の略。お菓子を食べてだらだらするのが活動内容。このゲームは、ショッケンが生徒会長候補・東雲皐月によって廃部にされそうになるところから始まります)
「主人公の幼馴染」「成績優秀・運動神経抜群・容姿端麗」「主人公を振り回しながらも、主人公にずっと恋をしている」「主人公にしか知られていないトラウマがある」…メインヒロインとしては妥当な感じの設定。
シナリオの内容は、選挙戦を進むにつれて、学園内の利権争いに巻き込まれる、という内容。
〇よかった点
個別ルートだと、自身のトラウマを解決する・主人公が自身の求めていた「恋」という夢手に入れるという作中の重要な要素2つが入っており、正道のルートだと感じました。タコスのおばちゃんは残念でしたね…。
PSP版で、朝チュン描写があったのは千里だけでしたね。さすが正ヒロイン。
PSP版とPC版で立ち絵が変更されてましたが、PSP版の方が可愛くなってるので成功だと思います。
●イマイチな点
ギャップ萌えというか、明るい中に影があるキャラは魅力的だと思うんですが、彼女はちょっと怖い。
付き合う直前にメンヘラ気味になったり、他ルートでも主人公に彼女ができると急に迫ってきたり、ちょっと面倒な女の子に感じます。
日常生活でも、ちょっと気が強すぎるところがあるように感じてしまいます。
あと、タイトルの「チョコレート」部分の回収が千里ルートだけですね。
このゲームをプレイした人は必ず千里ルートを最初にプレイすることになるので、彼女のルートをプレイした段階だと「なるほど」と思えます。
しかし他ルートにはチョコレートの話が全く出てこないので、タイトルにいれるほどなのだろうか…と感じました。
選挙戦の結果は落選です。主人公もショッケンも、元の状態に戻ります。
あんなに頑張ってたのに、元の堕落した部活動に戻ってしまうとは…
主人公は千里とくっついても、あまりいいことがないですね。
【青海衣更ルート】
後輩枠その1。
シナリオは、彼女含めたケートク生の差別をなくそうと努力する過程がメイン。
(ケートク生…経済特待生の略。作中では、経済的に厳しい家庭の子女でも入学できるように作られた制度で入学した生徒のこと。学費の援助やバイト許可の恩恵が受けられるが、学校から課せられた一定時間の労働に従事しなくてはいけない)
ただ、主人公が最初に掲げていた公約は「来期の部費削減が予定されている部活を援助する」ことが主だったはずなので、食研含めた支持者たちと意識の乖離が起こってしまうわけですね。これはよくない。
衣更やケートク生が置かれている状況がつらいこともあり、重いシナリオになっています。
〇よかった点
衣更は笑顔がまぶしくて、一生懸命で、ストレートにかわいい女の子ですね。
主人公も最初から彼女のことを気に入ってた様子ありましたし。
料理も出来て、バイトも頑張ってて、好感が持てます。
衣更の方も、一心に主人公のことを慕っていて、背中を押したりお守りとして四葉のクローバーを探してくるなど、普通にとってもよい子です。
主人公が選挙頑張ってたのは◎。
がんばって公約考えたので、一度は離れた部員の心も戻ってくるし、生徒会副会長にもなれるルートです。
衣更のバイト先も主人公宅になるので、全方位よしの幸せなエンドです。
上記のゲームセンターでのCG、雰囲気があって好きです。
人間関係がギスギスしまくるこのルートですが、辰巳が怖いのはよかったかなと思います。
全ルートで対峙するキャラなので、ずっと雑魚扱いでもよくないと思うので。
●イマイチな点
主人公が勝手に行動するため、見ていられません。
ショッケンの意思を無視して彼女(衣更)のために頑張ろうとするため、味方がどんどんいなくなります。最終的に自分の力で信頼を回復させていたのはよかったですが、それに巻き込まれる衣更は、従来の差別+ショッケンからの冷遇でとばっちりです。
人間関係が悪くなる様子を見せつけられるルートなので、つらかったです。
また、このルートの衣更はとにかく不運に巻き込まれます。
彼女自身には全く非がない災難ばかりなので、気の毒すぎる。
あのときばかりは千里を恨みましたね…それだけでなく、このルートの千里は衣更に嫉妬しまくるため、あまりいい印象を抱けません。
【森下未散ルート】
後輩枠その2。
学校の裏側・暗部が中心となるシナリオ。
一番最後にプレイした方が、シナリオがわかりやすいと思います。
全ルートで主人公を支援してくれる現生徒会長・毛利八雲会長の掘り下げがされます。
選挙の描写が少ないですが、唯一生徒会長になれるルートです。
〇よかった点
全体的に謎めいた雰囲気のシナリオで、緊張感がありました。
未散の持つ「近くにいるのに遠くにいきそう」という印象が、シナリオを通して描かれていて切なくなれます。
その分、未散の持つ問題を二人で乗り越えた先のエンディングがとてもさわやかで、二人の未来を感じさせました。一番好きなエンディングです。
八雲会長と香奈さんには、ゆっくりしてほしいものです。
イベントCGに私好みのものが多く、特にPSP版で追加されたキスシーン2種がすごくいいです。
PC版に、CGなしでクリでイカされる場面ありましたね。すごくエロかったですありがとうございます。
●イマイチな点
彼女のデザイン・キャラ設定は「サモンナイト2」のハサハのオマージュでしょうか。
プレイ当時は「サモ2」のことをあまり知らなかったので、「見た目似てるなぁ」ぐらいにしか思っていませんでした。
しかし「恋チョコ」クリア後にたまたま「サモ2」買ったらハサハの人物紹介に「相手の感情が色として見える」と書いてあり…完全に未散ですねありがとうございます。
未散のエンディングは晴れやかでよいエンディングだったので、ちょっと萎えました。
またこのルート、選挙の話がされなさすぎる。
未散と八雲会長を救うためには生徒会長になるのが必須ですし、主人公のやる気も相当なものでしたが、どのようにがんばったかは描写されず。このゲームは選挙がメインの話なのでは…。
あと悪かった点と言いますか、他のルートだと八雲会長と香奈さんは救済されないのかと思うとかわいそうになります。
会長、あんな思いして頑張ってたのに…
【木場美冬ルート】
推しです。
落ち着いた感じで、かわいい見た目ですよね。
シナリオは、主人公と美冬と千里の三角関係が中心です。
選挙戦そっちのけです。
〇よかった点
エッチのとき「だめ…」「千里を裏切っちゃう…」とか、口では拒否しながらも体は主人公を受け入れているのがとてもエッチでよかったです。
胸が大きすぎないのもエッチでいいですね。
PSP版で追加のキスシーンのイラストがすごく好きです。
ロマンティック~‼最高‼
最後の病院のシーンの盛り上がりもよかったですね。
●イマイチな点
主人公が選挙頑張らなすぎなのは×。さすがにこの体たらくでは、怒られるのは当然です。
当然選挙結果は落選です。
上記の雨が降る公園のシーンですが、後日美冬は体調を崩し、危篤状態に陥ります。
さらにPC版だとキスだけでなく、フェラしてもらった上に本番までやります。
体弱いって言ってんだろ‼
美冬ルートの千里は比較的好感持てるんですけど、ちょっと千里口悪すぎじゃないですか?
【東雲皐月ルート】
生徒会長選挙の最有力候補として登場。おっぱいがおおきい。
シナリオは、皐月と皐月の姉であるショッケンの顧問・葉月先生の家族関係がメイン。選挙戦については報道による各候補の印象操作が描かれます。
〇よかった点
選挙の対立候補なので、さぞ最初はギスギスするだろうと思っていたら、そんなことはなく穏やかに話が運びましたね。
PSP版・PC版共にエンディング後にイチャコラできるんですが、PSP版の彼女はSっぽく、PC版の彼女はMっぽくなってますね。
PSP版の方がいつもの皐月っぽくて好きです。
汐浜陽高ちゃんの出番が多く、彼女(だと思うんですが…)の事情も明らかになるルートですね。CGスチル可愛かったですね。
●イマイチな点
選挙戦がマスコミ報道による空中戦に終始していましたね。
主人公の実力で生徒会長になったわけではないので、この先大変でしょう。
個人的に、彼女の一番かわいかった瞬間がルートはじまってすぐの上記のCGのシーンな気がします。デレてはくれるんですが、あまり主人公と恋愛している感じがない…。
どちらかというと、皐月と葉月先生の関係の修復過程を見るシナリオです。
PSP版でも主人公と一泊した次の日の朝のCGが裸でしたけど、それで「やましいことはしていない」はさすがに変更した方がよかったのでは。
【枝川希美ルート】(PSP版のみ)
のんちゃん先輩。
シナリオは、「恋とはどんなものか」と選挙の対立候補・辰巳による嫌がらせがメイン。
〇よかった点
「誰からも好かれる」という設定に説得力があるキャラですね。
あまり濡れ場が想像できないキャラクターなので、PSP版追加キャラとしてちょうどよかったんじゃないかと思います。かわいいし。
「恋とはどんなものかしら」というテーマが一貫して意識されていて、統一感のある丁寧なシナリオでしたね。面白く読めました。
ルート中の伏線も回収されてて、「恋チョコ」の中では好きなエンディング。
エンディング後の成長したのんちゃん、すごいかわいいですね!
●イマイチな点
特にないのですが、他のヒロインのルートに比べるとインパクトが弱いシナリオかなと思いました。
《まとめ》
【よかった点】
〇CGのクオリティが高い
CGイラストがとてもきれいで、そこに惹かれてPSP版を購入しました。
結局、原画の方のイラストが1枚でも多く見たくて、原画集がついているTVアニメ化記念特装版PCソフトも買っちゃいました(これがPSP版・PC版双方をクリアした理由です 笑)
HシーンのCGも、私としては満足です!
でも原画集は「原画」集なので、全てのイラストが収録されているわけじゃないんですよね…特典のイラストまで全て収録されてるイラスト集が販売されたら、私は確実に買うと思います。
〇声優が豪華
アニメ好きの方なら、PSP版に出演している声優さんは知っている方ばかりでしょうし、演技も素晴らしかったです。
まさかのおがえみもいるという!
多分PC版も全員同じ声優さんだと思います。
〇PSP版の追加シーンがよい
各ルートでいくつか追加されています。エッチより恋愛を楽しみたい人は是非PSP版をどうぞ!
特に美冬は、絶対PSP版の展開の方が自然だし魅力が伝わると思いました。
〇BGMがいい
さすがエレメンツガーデン。自然に聞けます。
〇ロマンティックなキスシーンCGが多い
プレイしていただければわかると思うんですけど、キスシーンのCGがすごく雰囲気がよいものばかりです。
絵が好みなのもあって、個人的には非常に満足です。
PSP版だとキスシーンCG増えてました。わーい。
(確か未散と美冬が増えてました。皐月も増えてましたが、PC版のCGの描き直しかと思われます)
〇Hシーンにクリ責めが多い
ほぼ全員になかったですか?私クリ責め好きなんです。
キスシーンの描写とこのことから、シナリオライターの方は女性なんじゃないかと思ってます。
【イマイチな点】
●千里に好感を持てるかどうかでだいぶ変わる
全編に渡っての大きな問題点。
千里ルートは、千里が幸せそうなのでまだ面倒な部分はありません。
(つきあう直前のメンヘラ期の千里に対しては、正直「うわ…」と思いましたが、それくらいです)
しかし、設定の都合上千里は他のルートでもたくさん登場します。
特に衣更ルートの千里は面倒なので、心が重くなります…。衣更かわいそすぎる。
そもそも千里の方は、以前から主人公に対しての気持ちを恋だと感じていた様子です。
酷なこと言いますが、早く付き合えばよかったんですよ‼
千里ルートの項でも書きましたが、彼女のトラウマが他ルートだと解決されないのも不安な部分です。主人公と他ルートのヒロインの人生に結構影響すると思うのですが…
何故プロペラは彼女のことが好きなんだろうか…
●上記に連動して、PSP版のおまけゲームが人を選ぶ
花札・落ちものパズル・「千里と24時間リアルタイムで仲良くできる」ソフトの3本立てです。
前2つはよいとして、最後のゲームは千里が苦手な私にはやりにくいかな…。
千里は魅力的ではありますが、万人に好かれるタイプのキャラ造形ではないと思います。
●個別ルート時に、選挙の話をもっとメインにしてほしかった
共通ルートでは選挙活動の運営の仕方、戦略、活動経費の集め方、討論会の対策など選挙活動が細かく描写されています。
よく考えられているなと感じました。興味深く読むことができます。
しかし、個別ルートに入ると選挙活動の描写量に差ができます。
千里・衣更ルートは、公約がシナリオの本筋に関わるため描写が多いです。
しかし、のんちゃんルートでは、選挙戦の対抗馬・辰巳によるいやがらせに多く描写が割かれており、公約や討論にはあまり話が及びません。
皐月ルートも、ほぼマスコミ活動による印象操作に話が移るため、肝心の選挙戦は消化不良です。あんな報道された辰巳相手なら、大した対策をしていなくても勝てるでしょう。
未散ルートに関しては、がんばってる様子はありましたが、具体的な選挙活動の描写はほぼありません。
美冬ルートに至っては、美冬との関係に悩むあまり全く身が入っていません。作中でも葉月先生とのんちゃん先輩にその点を怒られています。
前半の力の入った選挙活動の描写に没入したプレイヤーも多いと思いますので、個別ルートに入った後もそれをつづけてほしかったです。
●ショッケンメンバーの意識がエンディング後も全く変わらない
選挙活動の結果は、各ルートごとに違います。
どのエンディングでも、ショッケンは当面の存続を許されます。
しかしどのルートでも、肝心のショッケンメンバーの意識にあまり改善が見られません。
そもそも「生徒会長候補の出した公約により、廃部の可能性がある」ということで、部から生徒会長候補を擁立したわけです。成し遂げたい公約を持っていたわけではなく、現状の問題解決のために選挙に出馬しているのです。
それが解決すれば、その後の部活動に大きな改善が見られなくなるのは当然の帰結ではあります。
ただ、それはルートによっては主人公が生徒会長・生徒会副会長になったことで解決する事情でもあるため、「あんなに頑張ってたのに…」「主人公に全部押し付けて…」という気持ちになってしまう人もいると思います。
一応エンディングで「実績出さなくちゃね~」とは言ってるので、まあこれから頑張るのかな、といった印象です。
●プレイヤーの気持ちがあまり盛り上がっていない時にボーカル付きBGMを流すので、ちょっと萎える
曲はいいんですが…しかも千里のシーンばかりなんですよね。スタッフは千里推し?
●フルスクリーンにすると画面の縦横比がおかしくなる
2010年代のゲームでこれはよくないのでは。
と思っていたら、2020年12月発売のHigh Resolution版は、この問題が解決されるということで。
それどころか、
16:9化 / 最大4Kディスプレイに対応 / 演出強化(CS版CGを一部追加) / 最初から千里以外のルートに入れるように / 強制オート解除
3840 x 2160px(4K)
2560 x 1440px
1920 x 1080px
1280 x 720px
1024 x 576px ほか
に対応したHigh Resolution対応新システムを搭載。(掲載以外でも横1024px以上のディスプレイで動作します)引用:sprite公式サイト
システム面で物足りなかったところが大体解決されてます。
【総評】
ところどころアラは目立ちますが、総合的にはクオリティの高い作品だと思います。
エロゲ入門者の方におすすめです。
初見で千里が好みだと思った方は、性格を知ると印象が変わるかもしれませんので少し調べてから購入した方がいいと思います。
PSP版・PC版ありますが、私のおすすめは以下です。
エッチシーンが見たい→PC版
恋愛を楽しみたい・キスシーンを楽しみたい・のんちゃん先輩を攻略したい→PSP版
PC版を今から購入するなら、問題のいくつかが解決された2020年12月に販売されたHigh Resolution版がおすすめです。PSP版で追加されたCGも一部収録されているそうです。
・R-18版
・全年齢版(PSP)